こんにちは。最近は寒さも急に深まり、秋も早々に冬へと移り変わりつつある今日この頃ですね。お久しぶりです。長井です。
皆さんは「夜回り先生」と呼ばれる方をご存知でしょうか?
横浜市で長く高校教員として勤務し、また若者から「夜回り」と呼ばれている深夜の繁華街のパトロールを通して、多くの若者たちとのふれあいの中で彼らの非行防止や厚生、心の病や自殺の問題などに尽力されていました。そこで「夜回り先生」と呼ばれることになります。現在も多様な活動を続けられ、日本各地で講演会を開くなどして、今直面している子どもたちの様々な問題を、世の中に訴え続けられています。
そんな数え切れないほどの沢山の子どもたちと、日々関わっている著者がアドバイスするこの本書は、目からウロコな話だらけで説得力があります。また、子育ての段階を、子どもが幼い時、小学生になったら→中学生になったら→高校生になったら→問題を起こしたとき、と五部構成になっていたり、一つのアドバイスごとに読み切りであったりと、活字が苦手な方にもとても読みやすくなっています。
そんな中から、私が印象に残っている一部を紹介します。
・子どものテンポにあわせる(「子ども時間」で楽しく)
子どもには子どもの時間があり、子どものテンポがあると本書では説いています。例えばクラスメート40人のクラスがあれば、40の時間の流れがある、というエピソードがあります。最初はゆっくりの子どもたちに合わせて、徐々にみんなと合わせていくとうまくいくいうものでした。忙しい大人はついつい「大人時間」で動いてしまいがちではないでしょうか?そこを子どものペースに合わせることで、子どもはとても喜び、自己肯定感が育まれるそうです。確かに大人であっても自分のペースに合わせてもらえると、嬉しかったり安心したりするのは一緒だと私は思います。それが自分の一番近くにいる親であれば尚更大きい安心に繋がりますよね。
このように、当たり前の様で忘れがちなことについて、本書ではわかりやすくかみ砕いて記されています。子育てには、正解がないからこそ悩み、苦しむときもあると思います。私自身、エールに来所する子どもたちとの関わりで、日々悩みます。そんなときに、ふと原点である人と人との繋がりや、温かさを思い出させてくれる、そんな一冊だと私は感じました。少しでも子育てのヒントになればいいなと願いを込めて、紹介させていただきます。