書籍紹介

発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 

楽々かあさんの  

「伝わる!声かけ変換」     著者:大場美鈴

皆さんこんにちは、久しぶりの投稿となりました。長井です。

新学期から慣れない毎日を過ごしてきた子ども達も、ようやく日々の生活を楽しめるような余裕も出てきた頃かと思います。

 とは言っても、子どもとの日々は楽しい事ばかりではないですよね。「今日も怒ってしまった」、「優しくできなかった」と可愛いわが子の寝顔を見て自己嫌悪、なんて方も多いのではないでしょうか?実際、たったの数時間、子ども達と過ごす私ですら「もっと違う声のかけ方はなかったかな?」「注意しすぎてないかな?」と毎日思うのに、毎日一緒に居られるお母さん、お父さん、おじいちゃんやおばあちゃん、皆さん本当に尊敬でしかありません。

 本書はそんな皆さんと同じ立場で、3人のお子さんの「お母さん」が著者です。

 本書の目次には、ついつい子ども達に言ってしまう一言や心の声がstepごとに並んでおり、矢印の向こうには変換された言葉が書いてあります。

 

 (例) 「なんてことするの!?」

  ➡「今、○○するとどうなると思う?」

のようにBefore➡Afterがあり、解説も1~3ページ程で、読むこと自体が億劫になりません。私は「読む」というより「辞書をひく」感覚で本書に目を通しました。もちろん一冊がっつり読み込むことができれば良いのですが、なかなか一冊読むのはちょっと...という方にもおすすめです。

その中からいくつか紹介させていただきます。

 

「もう!あんた、何やってんの!」

➡「お母さんは、そうゆうのはイヤだな」

 元気に生きていればいろいろやらかすのが子ども。

 小言や説教を言いたくなる時もあります。そんな時は主語を子どもにするのではなく「自分」(「私は」「お母さんは」など)にして、「私はこう思う」というカタチにします。主語を相手にすると「責められている」印象がして反撃したくなりますし、自分の主体性も弱まるそうです。

確かに子どもが相手でない場合でも「何してんの!」と言われるより「それはやらないでほしい」と相手の気持ちを伝えられると、相手との関係性に対する意識が生まれ、次回から気を付けようと思えるのではないかと思います。これは人間関係にも通ずるところがあるように私は感じました。

 

「もっといい親になりたい!」

➡「自分はもう十分いい親、親合格!」

解説には、目の前の子どもが安心して笑っていれば「親合格」、「いい親」ですよ、自分が自分に「親合格」を出してあげてもいいのでは?と書いてあります。世間には「いい親」「理想の親」の情報があふれており、他人と比較してしまうことも多いかもしれません。しかし「いい親」であるかどうか決めるのは「世間」や「他人」ではないと著者は言っています。

子どもが安心して笑っていればもはや「いい親」である、といざ自分に置き換えてみると、なかなかその発想には至らない方も多いのではないかと思います。それに、親とは常に評価してもらえる立場ではないし、正解もなく、合格が何かなんてわかりません。人の親になったことのない私には想像もできないような大変さもあるだろうと思います。だからこそ、自分が自分に「親合格」を出してあげる、そんな心のゆとりがあれば、子育てもより楽しく、豊かになっていくのではないかなと本書を読んで思いました。そして、読み終えたとき、親という立場に限らず日々の生活にも自分の頑張っていることに「合格」をたくさんあげて、自分を認めてあげることが出来る毎日を過ごせたらいいな、素敵だなと思いました。