書籍紹介「「落ち着きがない」の正体」

今回は「落ち着きがない」の正体 という書籍を紹介いたします。

以前から当教室に置いていた書籍ですが、今年度から児童指導員として御勤務いただいている長井先生に興味を持っていただき、このブログにて紹介してくださるということで、今回は長井先生にお願いしました。

セルフ・レグ(自己調整法)

皆様、こんにちは。はじめまして。長井と申します。今回のブログは私が担当させていただきます。よろしくお願いいたします。

本書は「セルフ・レグ」というキーワードを念頭に話が進められています。

そもそもセルフ・レグとは何か。

「セルフ・コントロール」という言葉がありますが、これは自分の衝動やストレスを抑制する、ということのようです。

これに対して「セルフ・レグ」は、のしかかったストレスに対処していこうという考え方です。

悪い子には出会ったことがない

本書の作者であるスチュアート・シャンカーは「悪い子には出会ったことがない」という主旨の一文で本書を書き始めています。

乳幼児などの発達に関して、とても権威ある彼が、落ち着きがなかったり誰の手にも負えない「問題児」と呼ばれる子どもたちとの出会いの中で見出した対処法や考え方を論理的に説明し、その中で「セルフ・レグ」がとても重要なキーワードになっています。

ストレス因子

私が心に残っている内容は、親が子どものストレス因子を探る、言わば探偵仕事をしていこう、ということです。

子どもたちの中には音や光など特定の刺激に対して過剰にストレスを感じる特性を持っている人がいます。しかし、多くの子どもたちは言葉でそれを理解したり表現できない場合が多いため、親や周囲の人間が、その子のストレス因子に気づくことで、子どもたちの生きづらさを軽減することが重要になります。

例えば、学校の教室で落ち着けない子。その子はただ単に落ち着けないという特性を持っているのではなく、教室の電灯が明るすぎてストレスになっており、その高ストレス状態が続いたことで衝動が抑えにくい状態になっていた。という事例が示されています。

この場合はただ単に照明を弱くする、というだけでかなりその子は落ち着きを取り戻したらしいです。明るすぎる照明がストレス因子になっており、それに気づいてもらい、その原因を除去してもらったので、その子は落ち着きを取り戻せました。

このように子どものストレス因子に気づくことは、落ち着きがなくなってしまっている高ストレス状態の子どもにとっては非常に助かることだと思います。しかし、そのストレス因子に気づくためには、まず、親自身が自分を知り(セルフ・レグをして)ストレスを調整すること。親自身がストレスまみれでは、他者のストレス因子を理解することは困難であると作者は言っています。

大人も子どももストレスを抱えやすい現代社会で、子育てのヒントとなる内容がたくさん書かれていると思いました。

子育てをしている人だけでなく、ストレスを抱える多くの方に読んでいただきたい一冊だと思いました。